2018.11.22

谷口嘉さんのガラス


10月、東京に行く予定があり、初めて関東方面の作家さんにお声がけする機会をいただきました。そのうちの一人である谷口嘉さん。神奈川県で型吹きのガラス作品を作られています。

谷口嘉さんは多摩美術大学でガラスを学んでこられた経緯もあり、ガラスを用いたインスタレーションなどのアート作品にも取り組まれています。作られる器やインスタレーションを拝見して感じるのは、ガラスの素材に向き合うストイックさから生まれる繊細な表現。アート表現にしろ器作りにしろ、ガラスを通して空間を認識させるような印象を感じます。

作られている器は主にコンクリート型にガラスを吹き込んで成形する型吹きの技法を用いています。一般的な吹きガラスでイメージする宙吹きとは違い、多角形や楕円など多様な形の型に吹き込む事で成形の自由度に利点があります。どの作品も、プロダクトのような端正な形に薄氷のようなゆらぎがガラスの表面に現れ、工業製品にはない表情、緊張感を感じます。

また鉢や小鉢などの器には、縁に金彩が施されることにより、作品としての美しさとガラスの存在感を引き締めています。ガラスの性質に向き合いながら繊細な仕事を積み重ねているような谷口さんの器に是非触れてみてください。


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