この、一見普通のコップに見えるこのグラス、実はワイングラスです。ヨーロッパ、特にイタリアのトラットリアなどではよく見られる形だといいます。
この手のコップは「オンブレッタ・ディ・ヴィーノ」(日陰で飲むワイン)と呼ばれ、言葉を省略して「オンブレッタ」とだけ言うこともあるそうです。グラスを指すだけでなく「オンブレッタに行こう(飲みに行こう)」などという使い方もするのだとか。
一般的にイメージするワイングラスとは異なり、グラス全体が厚く成形され、重厚な重みがしっくりと手に馴染みます。普通のコップと違い、ワイングラスのように意識されるのは、底のガラスの分厚さで、ワインをテーブルから浮遊させているように感じさせます。飲み口はぽってりと厚手にできていて、ワインがじんわりと口に広がります。ワインを口に含み、分析するのではなく、純粋にその味を愉しめる気軽なワイングラスです。
リーズナブルなワインを気軽に飲みたいときなど、とにかく余計な知識や”うんちく”抜きに、ワインそのものの「旨さ」を楽しんでみてください。
もうひとつ、このワイングラスっぽくないワイングラスはベッロ。木村硝子店の4代目、木村祐太郎さんが、“日本人の味の楽しみ方に沿うグラス”というコンセプトでデザインしたグラスです。サイズ展開があってこれはLサイズ。ゆとりのある大きさで330cc入るのでワインだけでなく、いろいろな飲み物に使っていただけます。
ワイングラスのように薄手で、ふんわりと広がった飲み口がワインの香りをふんわり漂わせます。スタッキングも出来るので数を揃えてもワイングラスのように収納場所に困ることもありません。
ご紹介した二つのグラスはワインだけでなく毎日のコップとして気軽に使っていただけます。