陶芸家、林拓児さんの展示会DMです。
会期は2017年10月7日(土)から10月15日(日)。
展示会DMご希望の方はお問合わせフォームからご連絡をお願い致します。
photo:Pentax K-1, smc PENTAX-D FA MACRO 50mmF2.8
DMに掲載している写真はマクロレンズで撮影。
林拓児さんのうつわの特徴である、貫入のひびの一本一本まではっきりと視認できます。
ところで、貫入とは、うつわの表面を覆う釉薬のひびのことです。
うつの素地とその上に施される釉薬は素材も異なりますので膨張率の差など、性質上の差異があります。
うつわが焼きあがった後の冷える工程において、釉薬に細かいひびの入った状態がいわゆる貫入で、その他にも貫乳,開片とも。一種の装飾的な要素となっています。
林さんのうつわでは、この貫入に栃渋を染み込ませることによって詫びたアンティークのような見た目を表現しています。
一方で、こうした処理がなされていない陶器のうつわでも、目止めがなされていない状態では、ゆっくりと貫入内部に食事や飲み物の汚れ等が沈着し徐々に色が変わっていくものもあります。
この汚れを嫌う方は、目止めをすべきですが、この過程を育てるといい、変化を愉しむのもまたうつわの魅力ではないでしょうか。
林さんの貫入のうつわも、使っていくうちにだんだんと貫入の色も濃くなっていきます。
ぜひ長く使っていただき、自分だけのうつわに育ててみてください。
(写真奥の石皿と、椀は4年ほど使っていて、特に色の濃いものを入れる機会の多い石皿は写真でも分かる通り色味が変化しています。)